エンジニアからPdMになった件。

こんにちは、カンカクでカフェ事業のPdMをやっている しほちゃん @shihochan_jp です。
カンカクへエンジニアとして入社してから2年間はAndroidアプリ開発をメインに担当しました。去年の夏よりだんだんPdM業務をはじめて秋より本格的にPdMとして仕事をしています。

このブログではしほのカンカクでのこれまでこれからについてまとめて、リアル店舗開店などカンカクならではPdM業務について話したいと思います。

エンジニアとしてのこれまで

Androidエンジニアとしての仕事

2019年10月にカンカクにジョインしてから、自社経営カフェのオーダーアプリ COFFEE App の Androidアプリの開発を担当しました。今となってはトレンドと逆行するかもしれませんが、Flutter製のアプリをスクラッチでフルネイティブ化しました。
入社した日にリポジトリ作成からはじめて色々と攻めた技術やライブラリを利用しながらも、予定通り12月にリニューアルできました。

リリース後も、飲み放題の月額メンバーシッププランの開発やメニュー画面リニューアルなど大きな改修もこなしてきました。

PdMとしてのこれから

エンジニアからPdMになるにあたっての不安

自分がPdMになるにあたって社長やマネージャーと何度か1on1を実施し、率直な不安や期待値調整を丁寧に実施しました。最初から迷いなく進んだかと言うとそんなことはなくかなり不安がありました。

  1. コードを書けない不安
    分析のQuery以外のコードをほとんど書かなくなって3ヶ月が立ちましたが、振り返っても自分はコードを書くことが単純に好きだったんだなぁと感じています。仕事上のストレスのほとんどは対人関係によるものだと思っているので、自らのコードと向き合う環境を捨て、ストレスの渦の中へと突撃することには大きな不安がありました。

  2. 技術キャッチアップが遅れる不安
    現在リリースを控えているラウンジ機能は、Jetpack Composeを利用して開発されています( こちらのブログもぜひご覧ください )。後任のAndroidエンジニアのコードレビューも担当しているのですが、プロダクトのコードを書いていないので満足のいくキャッチアップができていないです。時間を見つけて手元で動かしてみてなんとかレビューしている形です(いつもレビューが遅れてすみません)。

  3. 今後のキャリアの不安
    今まで8年間、エンジニアとして仕事をしてきたキャリアを一度ゼロへリセットしてしまうのではないかという不安がありました。またエンジニアとして仕事がしたくなった際に錆びついた技術力が理由となり選択肢が狭まってしまうこともあるかもしれません。

なぜPdMにチャレンジすることにしたのか

ここまでたくさんの不安を吐露したわけですが、最終的にはPdMを引き受けることにしました。

  1. 技術の分かるPdMとしてのキャリア
    店舗側を担当する非エンジニアとの施策策定や意思決定の場においてCOFFEE Appをはじめ、システムの概要がわかっている人材が必要とされていました。今までの仕事の中でも課題感を感じることが多かったことなので、自分がPdMになることでエンジニア→PdMというキャリアの答え合わせをしたいと思いました。

  2. 一番店にいるエンジニア
    他の会社にはないカンカクならではの魅力として実店舗が存在することが挙げられます。自分たちが開発したプロダクトが店舗で実際に利用されているところを見ることが自分にとっての仕事のモチベーションにもなっています。自分は都内在住で自転車移動なこともあり、頻繁にお店に出向き積極的にコミュニケーションを取っています。現場でのコミュニケーションを通してスムーズにPdM業務へ移行できるイメージを持つことができました。

  3. 事業グロースのためにできることはなんでもするマン
    カンカクへは立ち上げフェーズから参画することができ、かなり古株社員になってきました。カンカクへ入社を決めた際にも自分は技術を極めることよりも新しい事業を創りたいという気持ちが強くあったことを覚えています。今一度、会社を見たときに自分ができること、自分が活きることとしてPdMの道があるのであればチャレンジしたいと思いました。

色々書きましたが、社長とマネージャーからの「チャレンジしてみてやっぱりエンジニアが良かったらまたエンジニアに戻ろう」との言葉と、今までの仕事や自分の強みを活かせる仕事であると思ったのが大きなところです。

カンカクのカフェ事業PdMのお仕事

カンカクではリアル店舗を経営しているので、通常のWeb事業のPdMでは経験しないような業務があります。多くの機器や工事もあるので意思決定後の戻しが致命的な問題になることもあります。ここではカンカクならではの仕事について簡単にお話したいと思います。

新店舗開店業務

カンカクでは去年1年で4つの新店舗を開店させました。プロダクトチームとして新店舗の開店を補助するタスクは一覧化して管理しており、開店を重ねる度にかなり洗練されてきました。開店が近づくと各タスクは毎日のStandup Meetingで進捗を確認する時間を設けています。

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下北沢開店タスク

タスク内容としては

  • コーポレートサイトへ新店舗情報を追加
  • Slackへの売上通知Botの追加
  • オペレーションiPadのセットアップ
  • ネットワーク構築とWiFiセットアップ

など多岐に渡ります。担当は各メンバーに手を上げてもらうケースもあれば、属人化しないように複数人で対応するものもあります。中には特別な技術を必要としないタスクもありますが、情報セキュリティなどの観点からエンジニアで補助を行っています。PdMとしては、こちらの一覧の管理、ディレクション、セキュリティ意識向上のための周知・徹底などを行っています。

店舗との連携業務

実店舗では本当に様々なことが起こります。自社製の店舗コンソールやアプリなどWebの技術を多く利用して店舗運営をしているので、店舗スタッフには通常の飲食業よりは高いITリテラリーが求められます。店舗側とは定例を設定し定期的に情報共有を行う以外でも日々の業務を効率化するためにたくさんの仕組みを導入しています。

  • Slackを活用したオペレーション
    カンカクではアルバイトスタッフさんにもSlackに参加してもらっています。心理的安全性を確保しながら業務を効率化するためにルール整備や改善などを日々実施しています。

    • help-meチャンネル
      スタッフが日々の業務の中で分からないこと、困っていることがあればこちらのチャンネルに書いてもらいます。(自分がすぐ反応しています(๑•̀ㅂ•́)و✧)

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      help-meチャンネルの活用例

    • newsチャンネル
      調理オペレーションの変更やアプリの新機能リリースなどの情報が投稿されるチャンネルです。各店舗の店長と分担しながら情報共有とオペレーションの徹底を行っています。

  • 開発チーム発信のプロダクト・店舗業務改善
    前述の通り、自分は普段から積極的に店舗へ来店するようにしています。PdMとして店舗でのオペレーション課題のキャッチアップ、リリースした機能が意図通りに利用されているかの確認などを行っています。カンカクではエンジニアによる店舗での課題キャッチアップがきっかけとなった施策や機能がたくさんあります。こちらについてはまた別の機会にブログにできればと思います。

おわりに

今回は振り返りも含めてかなりエモめの投稿になってしまいました。プレスリリースで発表させていただきましたが、カフェ事業としては1月20日に初となるラウンジ業態の店舗を開店します。カフェ事業以外でも弊社のビジョンである「Building the next Ordinary. 新しいライフスタイルを作る」大きなプロジェクトが控えています。カンカクでは、一緒に新しいライフスタイルを作り上げていく仲間を募集しています。少しでも興味がある方は是非一度お話しましょう。